でちこの病覚え書き

2012年夏、乳がん発見!術前治療にヘトヘトになりながらも、元気になってきた現在のアレコレ

病理にまつわるお勉強【追記あり】 

 

少し時間が経ってしまったけど
KSHSのセミナーでお勉強したことの復習をしておこう。

診断がくだるまでに様々な検査をしますが
最終的に「これ、悪いもの。これ、良いもの」という判断は
病理診断によってなされます。
病理診断では、まず「がんか、がんではないのか」という良悪診断を行い
その後その細胞達がどんなものなのかという個別化診断を行います。

乳腺の検査の場合、病理に関係する検体は主に3つ。
1.細胞診(穿刺吸引:細い針で吸引する)
2.組織診(針生検、マンモトーム)
3.手術生検(手術でとったもの)

このうち、1と2がごっちゃにされやすいのだけれど
この2つは検査としては全く異なる。
細胞診はパパニコロウ染色。(パパニコロウ分類でclassⅠ〜Ⅴに分類される)
組織診はHE染色。

針生検(組織診)で使用される針の太さは8−14G。
(数字が小さいほど太い)
マンモトームでは6−10G。
細胞診はもっと細い針。

だから、細胞診、組織診、手術検体では見てるものが異なるために
結果が違っていることがある。(よく手術前と後では違ったということがある)
これは、・   のように見ている範囲が全く異なるため。

採取された組織検体はホルマリンなどで固定される。
その後、手術検体のような大きなものは切りだし作業。
5mm〜1cm間隔で切り出す。
(私の場合も初めは1cmで切りだしたが病巣が見つからなくて5mmでやりなおす)
包埋作業でパラフィンブロックを作成。
それをミクロトームで薄切りする。
その後HE染色。→続いて免疫染色。
HE染色では、見やすく色づけして顕微鏡で細胞や組織の構造や細胞の形態を観察する。
よくみかけるこんなの
HE.jpeg



免疫染色では乳がんの場合、乳がんのバイオマーカーの検索をする。

・ホルモンレセプター:癌細胞の核が染まる。
 乳がんは女性ホルモンで増殖する特殊な癌。1966年にERが発見された。
 ER(+)でPgR(+)の場合は全てのホルモン療法剤が有効。
 判定基準としてAllred スコア分類(8段階に分類。3以上が陽性)とJ-score(%で示される) がある。
 最近は、PgRの発現がki67と同等の重要性があると言われている。

・HER2
 細胞膜に存在するタンパク。癌細胞の増殖をスイッチするためのタンパク。
 免疫染色で(2+)の場合は、Fish法・Dish法で遺伝子の増幅を調べる。
 (2+)の人のうち、50%で増幅あり。
 分子標的薬の登場で予後は非常によくなった。

これらの免疫染色の結果を元に、癌のサブタイプが決まる。
ルミナルA、ルミナルB、HER2タイプ、ベーサルタイプを決める時には
ER、PgR、HER2それぞれの有無で分類されている。
これにki67の発現が高いか低いかを加えて分類されている。
ルミナルB-like HER2(−)型の場合、特にPgRの発現が重要。

ki67の判定をする時には、真っ暗な部屋の中で数を数えるのが
とっても大変なんだとおっしゃってました。
今後さらに免疫染色などが追加されて、病理医の仕事量は増加しています。
そんな大変な思いをして診断して下さっている病理の医師ですが
現在日本では絶対数が不足しているようです。
日本全国で2129人しかいなくて、アメリカの1/7程度だそう。
なんと、がん拠点病院の13%に常勤の病理医がいない…!
このことが問題になり、常勤の病理医がいない病院は拠点病院から外れるかもとのこと。

普段、表に出ない病理の先生の話はなんだかとってもおもしろかった。
時間が少なすぎる!病理の話だけで1コマあってもよかったな〜。

こんなことを聞いた後だったので、針生検しないで手術になりそうだった
乳腺原発悪性リンパ種だった人のことを知った時には信じられなかったよ。

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【追記】
 今回の免疫染色にまつわる、ERやPgR,HER2の発現に関しては
 術前化学療法による変化は含んでいません。
 術前化学療法によって、病理の結果が術前と異なることは治療効果という別の要因があります。
 今回記載したのは、術前の化学療法がない状態でも
 術前の針生検と術後の手術検体におけるER、PgR、HER2の一致率は100%ではないということです。
 多くはサンプリングの量の違いによる問題ではないかと考えられています。

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# |  | 2014/09/01 08:42 | edit

鍵コメKさん♪

おはよー。朝電車の中で論文1本読んでおもしろかったわー。
ありがとね。それを踏まえて追記しました。
追記でも触れたし、論文にも書いてあるけど
術前化学療法によってPgR、HER2の発現が変化するのでは。
論文中に引用されてた黒住先生がこの前話をしてくれたんだけど
その時は最初の針生検や治療なしの手術検体の話で
PgR発現の有無が非常に重要ですということでした。
だから術前の治療によって変化したものとは、話の次元が違うのかなと思います。
論文中に、閉経前症例で有意にPgRが低下していて、
これは化学療法による卵巣抑制機能(無月経)によるものかもっていうのを読んで
なるほどね~と一人ガッテンしたところ。
だからそんなに気に病まなくていいと思うわ!

でっち #kpjYxc8I | URL | 2014/09/01 10:24 | edit

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# |  | 2014/09/01 18:07 | edit

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