でちこの病覚え書き

2012年夏、乳がん発見!術前治療にヘトヘトになりながらも、元気になってきた現在のアレコレ

今さらちがいがあることを知る 

 

前回、髪がうすいとこがある〜とぼやいた
私が行った化学療法のメニューは

FEC(100) 4クール
タキソテール+ハーセプチン 4クール
ハーセプチン単独 14回

という、まぁ標準治療の王道的なメニュー。
アンスラサイクリン系薬剤を中心とした多剤併用療法と、タキサン系薬剤と分子標的薬。
全て静脈点滴で行われた。 ほんっとお金かかったわ(-公-;)

FECに似た名前のメニューでEC、CEFがある。
Fがあるかないかだけのちがいじゃないのーとか
薬の呼び方のちがいだけじゃないのーとか
テキトーに解釈していました。

しかし、改めて見てみると
そこには明確なレジメンの違いというものがあったのであった( ゜д゜)

詳細はガイドライン参照。

FECとECとCEFの要ともいうべき「E」は
一般名 エピルビシン(商品名:ファルモルビシン)で同じである。
ECとFECは投与量が、60~100mg(体表面積あたり)。
CEFは、60mgという違いがある。
FEC100という私がやったメニューはエピルビシン100mg。

さらに異なるのは、C(シクロホスファミド、商品名:エンドキサン)の投与量。
FECでは500mg、ECでは600mg。CEFでは75mg。
投与方法もガイドラインでは、CEFのCは内服とある。へー、そうなんだ。
全く知らなんだよ。

ちなみにTCは、乳がん領域ではタキサン系とシクロホスファミドですが
卵巣がん領域では、TC(TJ)はタキサン系とカルボプラチンです。
同じ呼び方でも実は薬剤が違うの。

large_522636_nyu_28.gif
(日経メディカル 乳がん百科より)

毛を抜いたやつの正体を
改めて勉強し直してみたのであった。
ただそれだけ。

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乳腺濃度のハナシ 

 


昨日猫のお友達に会って
乳がん検診の話になって
「マンモグラフィー痛かった−!」と言っていた。
確かにマンモグラフィーは胸を挟んでつぶすってんで
痛くはないとはいわない。
でも個人差があるんですよね。
脂肪が少ないとか、乳腺が発達してるとか。

そこで「乳腺濃度」の話。
8月のKSHSの全国大会でちょっと話を聞いたので。

検診=マンモグラフィーと思われていることも多い検査だけど
日本は乳がん検診の受診率が低い(全国平均約20%)ので受けたことない
対象年齢の人も多いでしょう。

以下、乳がん画像診断ネットワークのリーフレットより。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マンモグラフィーでは、乳がんや乳腺組織は白く、皮下組織や脂肪は黒く写ります。

乳がん(白)が脂肪の多い場所(黒)に発生すれば、
乳がんを見つけることは容易
ですが

同じような色合いの乳腺組織に囲まれていると、見つけ出すことが困難になります。

乳腺濃度は人によって異なることから、「マンモグラフィーによる乳がんの見つけやすさ」も
当然、人によって異なります。
乳腺濃度


<乳腺濃度の分類>
乳腺濃度分類

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、乳腺濃度が高い人は日本人に多く、この場合マンモグラフィーにはほとんど写らないという。
つまり、自分は乳腺濃度が高いのか低いのかと知っていることは非常に重要になる。
乳腺濃度が高い人が、毎年真っ白に写るマンモを撮っているだけでは
見えない病変を見逃すことがあるということである。

欧米ではAre you dense?という取り組みが広がっていて
マンモグラフィーによる乳がん検診を受けて乳腺濃度が高いことが分かった場合

乳腺濃度についての情報を伝えること。
マンモグラフィーでの短所を補うため、追加の画像診断を受けるよう受診を勧めること。


を通知義務とする法律を制定する動きがアメリカの各州で起こっている。


私は講演を聞いてこの話はとても興味深かったし
いただいたリーフレットも分かりやすく勉強になった。
それなのに、乳がん画像診断ネットワークのHPが全く楽しくないし
このHPを見ても、リーフレットのように分かりやすくもないのがねー。惜しい、残念( ´△`)


マンモグラフィー、エコー、MRIはそれぞれ原理が異なるので
結果がそれぞれであるのは当然。
これら複数を組み合わせて、総合的な診断をつけるということを
受ける側も知っていないといけないなとつくづく思う。
検診で見逃されたのではなく、写らなかったのかもしれない。
そして現段階では、MRIでしか見えない病変もあるそう。
ハイリスクな因子がある人は、MRIによる検診というのも必要になってくるとのこと。

すでに罹患してる人にとっては周知なことかもしれないけど
猫のお友達のように、これを見てくれている健康な方にも
知って欲しいなーと思って、まとめてみた (・∀・)

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セミナーとホルモン療法の謎と調子に乗った後 

 

15日の祝日に、公開講座があるよ〜と
お友達のさくら色さんに教えてもらった。
先着200名様に応募して、総勢6人で参加してきました。

IMG_0701_2.jpg  豊洲病院
病院のクリスマス会に毛が生えたくらいのものかな〜と思って
気楽に行ってみたら、割とオフィシャルなものだった( ゚д゚)

KSHSの全国大会で知り合ったYさん。
このセミナーを教えてくれたさくら色さん。
同じ病院のぬまさん、かいさん。
看護師でありセラピストの山下さん


セミナーは総論的な内容で、乳がんとは〜治療の概要〜再建についてまでと多岐に渡った。
もう少しテーマを絞って突っ込んだ話が聞けたらよかったね〜と
みんなで話してました。
個人的には津川先生の話をもっとじっくり聞きたかったな。
それだけみんな知識があるってことだよね。すごいわ〜。


その後お茶しながら話している中で
術後のハーセプチンとホルモン療法の開始時期についての謎が浮上。
ハーセプチンをやりつつ、ホルモン療法も開始している例と
ハーセプチン終了後にホルモン療法を開始する、併用はしないという例があって
後者の理由がなぜなのかが分からないんですよね。
当の本人はホルモン療法を早く始めたくて悶々。
(どっちみちもうすぐハーセプチンが終わるのだけど)
主治医からは「ふつーだよ、他の先生も併用してないよ!」と言われたらしい。
その主治医曰く、タモとハーセプチンの相性が悪いとかなんとか…?
私は同じ病院の主治医違うバージョンだけど
ハーセプチンとホルモン療法は併行してやってたし(´・ω・`)
一体何なんだ??大変謎である。
すごーく気になるからでっち主治医に聞いてみるよ。
謎といえば、FEC→DOCの場合と、DOC→FECの場合とあるけど
これもどーやって使い分けているのだろうか。同じ施設でも違いがあるんだよね。


先週から出張、出張中もアクティブに動いて
「動いてもつかれな〜い!」といい気になってたら
週明けの今日、どっと疲れが(≧Д≦)
甚だしい疲労感で早めに帰って来ちゃった。
そして誰からも「いつものパターン」と言われる始末(´・ω・`) 反省だわぁ。


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病理にまつわるお勉強【追記あり】 

 

少し時間が経ってしまったけど
KSHSのセミナーでお勉強したことの復習をしておこう。

診断がくだるまでに様々な検査をしますが
最終的に「これ、悪いもの。これ、良いもの」という判断は
病理診断によってなされます。
病理診断では、まず「がんか、がんではないのか」という良悪診断を行い
その後その細胞達がどんなものなのかという個別化診断を行います。

乳腺の検査の場合、病理に関係する検体は主に3つ。
1.細胞診(穿刺吸引:細い針で吸引する)
2.組織診(針生検、マンモトーム)
3.手術生検(手術でとったもの)

このうち、1と2がごっちゃにされやすいのだけれど
この2つは検査としては全く異なる。
細胞診はパパニコロウ染色。(パパニコロウ分類でclassⅠ〜Ⅴに分類される)
組織診はHE染色。

針生検(組織診)で使用される針の太さは8−14G。
(数字が小さいほど太い)
マンモトームでは6−10G。
細胞診はもっと細い針。

だから、細胞診、組織診、手術検体では見てるものが異なるために
結果が違っていることがある。(よく手術前と後では違ったということがある)
これは、・   のように見ている範囲が全く異なるため。

採取された組織検体はホルマリンなどで固定される。
その後、手術検体のような大きなものは切りだし作業。
5mm〜1cm間隔で切り出す。
(私の場合も初めは1cmで切りだしたが病巣が見つからなくて5mmでやりなおす)
包埋作業でパラフィンブロックを作成。
それをミクロトームで薄切りする。
その後HE染色。→続いて免疫染色。
HE染色では、見やすく色づけして顕微鏡で細胞や組織の構造や細胞の形態を観察する。
よくみかけるこんなの
HE.jpeg



免疫染色では乳がんの場合、乳がんのバイオマーカーの検索をする。

・ホルモンレセプター:癌細胞の核が染まる。
 乳がんは女性ホルモンで増殖する特殊な癌。1966年にERが発見された。
 ER(+)でPgR(+)の場合は全てのホルモン療法剤が有効。
 判定基準としてAllred スコア分類(8段階に分類。3以上が陽性)とJ-score(%で示される) がある。
 最近は、PgRの発現がki67と同等の重要性があると言われている。

・HER2
 細胞膜に存在するタンパク。癌細胞の増殖をスイッチするためのタンパク。
 免疫染色で(2+)の場合は、Fish法・Dish法で遺伝子の増幅を調べる。
 (2+)の人のうち、50%で増幅あり。
 分子標的薬の登場で予後は非常によくなった。

これらの免疫染色の結果を元に、癌のサブタイプが決まる。
ルミナルA、ルミナルB、HER2タイプ、ベーサルタイプを決める時には
ER、PgR、HER2それぞれの有無で分類されている。
これにki67の発現が高いか低いかを加えて分類されている。
ルミナルB-like HER2(−)型の場合、特にPgRの発現が重要。

ki67の判定をする時には、真っ暗な部屋の中で数を数えるのが
とっても大変なんだとおっしゃってました。
今後さらに免疫染色などが追加されて、病理医の仕事量は増加しています。
そんな大変な思いをして診断して下さっている病理の医師ですが
現在日本では絶対数が不足しているようです。
日本全国で2129人しかいなくて、アメリカの1/7程度だそう。
なんと、がん拠点病院の13%に常勤の病理医がいない…!
このことが問題になり、常勤の病理医がいない病院は拠点病院から外れるかもとのこと。

普段、表に出ない病理の先生の話はなんだかとってもおもしろかった。
時間が少なすぎる!病理の話だけで1コマあってもよかったな〜。

こんなことを聞いた後だったので、針生検しないで手術になりそうだった
乳腺原発悪性リンパ種だった人のことを知った時には信じられなかったよ。

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【追記】
 今回の免疫染色にまつわる、ERやPgR,HER2の発現に関しては
 術前化学療法による変化は含んでいません。
 術前化学療法によって、病理の結果が術前と異なることは治療効果という別の要因があります。
 今回記載したのは、術前の化学療法がない状態でも
 術前の針生検と術後の手術検体におけるER、PgR、HER2の一致率は100%ではないということです。
 多くはサンプリングの量の違いによる問題ではないかと考えられています。

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